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 激動の幕末に我が国で初めて太平洋を横断して米国に渡った咸臨丸。
その乗組員水夫を主人公とした「咸臨丸、サンフランシスコにて」(植松
三十里著・角川文庫)を読む機会に恵まれた。
  その本で、現地で病死した者、置き去りにされ、後に帰国した水夫た
ちがいたことを知った。さらに、文倉平次郎という市井の人間が、幕末軍
軍艦 咸臨丸」の一冊を書くために生涯を費やしたのだと知らされた。
本の引用すれば「明治維新は、いわゆる維新の英傑のみが行ったもの
ではなく、名も無き小さな先覚者たちが、歴史のピースの一枚一枚となら
なければ、歴史そのものが成立しなかった」と。

 おりしも、今月29日に富士宮人づくりの会で「咸臨丸 子孫と語る」講
座が開催される。何と、当市には、咸臨丸の渡航に莫大な費用を用立て
た豪商がいた。また、乗務員・斎藤留蔵の子孫も在住している。
 さらには、富士宮市と提携している東京農業大学の創始者・榎本武揚
は長崎海軍伝習所で練習艦として勝海舟と共に咸臨丸に乗り組み、薩摩
藩主・島津斉彬と対面したというおまけ付きだ。

 来宮する咸臨丸乗組員の子孫たちとの対面に間に合うように、嵐に翻弄
されながら突き進む咸臨丸を描いた。いや、描かざるを得なかった。
この本や講座との出会いが、自分自身の未来を拓く鍵になりそうだ。
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